近年、がん患者を対象とした食事療法が注目されています。ゲルソン療法やマクロビオティックなどを指導する会や食材の宅配などにも人気が集まっています。
この本は、現役で活躍するがん専門医が、治療の一環として実際に取り入れている食事療法を紹介したもので、ゲルソン療法をベースにしています。
具体的には、「限りなく無塩に近い食事」「動物性たんぱく質・脂肪の制限」「新鮮な野菜と果物の大量摂取」「胚芽成分及び豆類の摂取」「乳酸菌、海藻、キノコの摂取」「ハチミツ、レモン、ビール酵母の摂取」「オリーブ油、ゴマ油の活用」「自然水の摂取+禁酒・禁煙」が基本となっています。
大切なことは、食事療法だけでガンが消えるわけではなく、必要な手術や抗がん剤、放射線療法、その他の有効な医学的治療を実施した上で、同時に食事療法を行っているという点です。
ガンというのは生活習慣病です。 長年に渡っての生活習慣ががん細胞を育ててきたわけですから、仮に手術や抗がん剤でがん細胞を取り除いたとしても、しばらくすれば再発や転移が起こるのは当然のことです。きちんとした西洋治療を行った後、食事、運動、休養、睡眠、ストレスといったライフスタイルを見直していかないと元の木阿弥です。この意味で、がん患者を対象とした食事療法について詳しく書かれている本は、大変参考になろうかと思います。さらにがんにならぬよう予防の意味でも参考になるものです。
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